ティファニーのご近所で朝食を

 

マカオを訪れる中国人ツーリスト、その数、年間およそ四千万。日々、化粧品とシャンプーのみを買って帰る、珠海あたりの元気なおばちゃんもそこに含まれるのだろうが、それにしても多すぎる!あれこれの渡航制限も解けた今、宿泊費のインフレは止まるところを知らず、ネットで紹介されるような有名店や観光地のど真ん中では、朝食にありつくのも至難の業だ。十年一昔で、ニ昔ほど前なら、エッグタルトの聖地、カフェ・エ・ナタ (瑪嘉烈蛋撻店) で、体力を使い果たした日本のおじさんたちが気怠い朝を迎えることだって、なんら難しいことではなかったが、今はいつでも長蛇の列。

 

と言うわけで、ウィン・マカオ・ホテル (Wynn Macau Hotel) のベーカリーショップ「如珠如包 (Buns & Bubbles)」に再度登場していただこう。焼きたてのエッグタルトを、途切れなく提供してくれる名店だが、いわゆる惣菜パン、菓子パン、焼き菓子なども、種類豊富でレベルが高い (値段もまあまあ高い)。広州のスーパーにある、申し訳程度のパンコーナーとは大違いで、オーセンティックな西洋食に飢える在中邦人の食欲を大いにそそる。朝は歴史ある飲茶の名店で、とか、五つ星ホテルの朝食付きプランで、などと気合いの入っている方でなければ、寝起きはこちらで美食に疲れた胃を癒すのもおすすめだ。

 

ウィン・マカオでは、館内の人気アトラクション「吉祥樹」を目印にすれば、同店を簡単に見つけることができる。ちなみに、このホテルのショッピング・アーケードはマカオ屈指の高級ブランド店街として有名だ。当然、超高級宝石店のティファニーも威風堂々と居を構えている。現時点では、ティファニー店内でエッグタルトの販売はしていないようだったが、ティファニーから目と鼻の先で手軽にお腹を満たすことはできると言うことで、今回のお題を回収。

【如珠如包 (永利澳門店)】
澳門外港填海區仙德麗街
永利澳門酒店地面層
営業日時: 月〜日 9:00 – 22:00

ウィンパレス・マカオ (Wynn Palace Macau) にも店舗有り

マカオ式エッグタルト

阪神か巨人か。馬場か猪木か。バルサかレアルか。バースかクロマティか。けだし世に諍いの種は尽くまじく、香港式とマカオ式のエッグタルト (蛋撻) も、永遠に答えの出ない問いの一つだ。「差唔多〜」などと不粋なことを言ってはいけない。なかにはエッグタルトのためだけに、広州から香港、マカオへと渡る猛者もいるのだ。食感重視の日本人としては、パイ生地を使い、こんがりと焦げ目のついたマカオ式に軍配を上げたいところなので、今回は、マカオのエッグタルトをご紹介する。

 

マカオでエッグタルトと言えば、マカオ半島のリスボア・ホテル裏手に位置するカフェ・エ・ナタ (瑪嘉烈蛋撻店) と、マカオ最南部コロアン島のロード・ストウズ・ベーカリー (澳門安徳魯餅店) の 2 店が有名だ。どの旅行ガイドを読んでも、こちらで本場のエッグタルトを食しましょう、と金科玉条のごとく書いてある。しかし、カフェ・エ・ナタは意外に休みの日が多く、閉店時間も早い。ロード・ストウズ・ベーカリーの本店は歴史的価値はあるのだろうが、なんと言っても遠すぎる。これでは、マカオであれやこれやと多忙な世のお父さん方は、おいそれとエッグタルトを楽しむこともできないじゃ無いか!と言うことになる。そこはご安心あれ。ここはアジアが誇る不夜城マカオ。上記の有名店に勝るとも劣らないクオリティのマカオ式エッグタルトを、夜遅くまで安定供給してくれる店があるのだ。

 

「如珠如包 (Buns & Bubbles)」は、米国資本の IR, ウィン・マカオ・ホテル (Wynn Macau Hotel) 内のベーカリーショップだが、ここで供されるモノがなかなか侮れない。冷房完備の優雅な環境、待ち行列無し、一つ 13 パタカ (MOP) とホテル内にしては良心的な値段で、本格的なエッグタルトを楽しめるなら、もはやなんの文句もない。

 

ウィン・マカオには、有名な噴水ショーや、館内の「吉祥樹」などのアトラクションがあり、ショーのちょっとした待ち時間に、同店をサッと利用するのもおすすめだ。

 

【如珠如包 (永利澳門店)】
澳門外港填海區仙德麗街
永利澳門酒店地面層
営業日時: 月〜日 9:00 – 22:00

ウィンパレス・マカオ (Wynn Palace Macau) にも店舗有り